ニートと日本の若者の自立性
『NEET』 and the Independence of Japanese Youth
現在の日本の社会が抱えているバブル以降の長期経済の停滞や、少子化や、高齢者の介護問題などの上に、最近、若者文化の軽さ、とらえどころのなさも話題となっている。日本の若者達の中にある「負け組み」、または「ダメ人間」と呼ばれるグループについては、フリーター、パラサイトシングル、成り行きシングル、引きこもりという言葉がよく新聞や雑誌に社会問題で挙げられている。更に、この二、三年注目され始めた、通学や仕事をせず、職業訓練も受けていない「ニート」と呼ばれる若者が急増している実像が重大な社会問題とされている。そういう色々な若者問題の本質は何かと考えれば、成熟な大人になれない若者が多くなっているという現象とされて、つまり今の若者達の自立性の欠如が問題の基と反映している。
2003年、ニートに関する驚くべき数字が厚生労働省の労働力調査に明らかにされる前は、日本ではずっとニートとなっている若者の姿や表情が、具体的に見えてこなかった。しかし、その報告書によると、就労対象人口の15~34歳の男女の内52万人がニートで、無職全体の内およそ14パーセントを占めている。それと平成十二年の44万人と現在の85万人と比べると、日本に於けるニートの数が増加傾向にあることは明らかだ。社会人にとって、就労が「社会と個人を繋ぐ」主要な社会参加手段であるが、教育・雇用・職業訓練等に参加しないニートが社会との繋がりを希薄にしていることから、ニートの数が年々増加するのは青少年犯罪への関与等の問題がドンドン起こるのが見越される。そして、ニートには、将来教育や訓練を受ける機会は絶望的に少なく、状況を転換することも困難ので、個人の生活が困難になるだけでなく、長期的に社会福祉受給者であり、多大な社会負担になっていくというのも予想できる。
何故ニートが生まれるのか、その原因を求める時、様々な説明を考え出せるが、ある一つの興味をそそることは、ニートになる性格がほとんどの忙しく働いている人々と異なるために、ニートになるということだ。更に、「働いたら負けかなと思ってる」「今の自分は勝ってると思います」等強烈な自説を持っているニートも存在している。確かに、もし何か誰かのために一生懸命に頑張るかも解らないならば、働くのをやめて、精力を無駄にしないほうが別に悪くないという消極的な思考が理解できる。だが、私はそういう理由は、事実の一部だけだと思う。他の調査によると、何故ニートが増えてきたかという理由のうちよく言われるものは、「就職難」、「親が昔と比べ裕福になり、スネをかじらせる余裕がでてきた層が増えてきている」、「親の厳格さが失われ、依存を黙認している」、「人と対話する事を恐れる人が増えてきた」、「ひきこもり増加」、「企業に属して働くことに関しての疑問が増加」等、反社会的で享楽的なニートが日本で実は非常に少ない。
一方、上記様々の理由に一つ上げられる共通の特徴は、若者の自立性の欠如と関連する。日本の青少年は小さい頃から高校卒業まで、更に大学卒業した後も、両親にずっと甘えられるのが普通のようで、自立しなくても大丈夫だという思考を育て、大人になっても親離れできなくなる。こういう風に育成された若者が30代になっても一人前として独立した生活ができず、まだ親に頼って、いわゆるニートか、スネかじリーマン等になる。こういう現象は、七割以上のニート、失業者、その他の無業者のいずれもが親と同居しているという事実に見える。他方、子供が成長しているのに、親はまだいつまでも子供扱いに、甘やかす態度を持って、親元に子供においておきたがったり、仕送りをし続けているのも別に珍しくないそうで、なお親は子供が親から離れていくことを邪魔するという極端な子供離れのできない場合もあるらしい。そういう風に、親が子供をいつも甘やかし、子供が親に甘え、社会が人に頼ることばかりを容認していれば、自立できる人間が減っていく。それはニートだけではなく、引きこもり・成り行きシングル・パラサイトシングル等の社会問題の根源である。
疑いなく、自立して生活できないニートが増えると、労働する人が減り、親のスネをかじってる人が山ほどでてきたら、将来日本の経済や、モラル意識や、家族の役割等はどうなっていくのだろうかという不安がいっぱいある。しかし、ニートの形成はニート自身のせいだけじゃなく、周りの環境、教育問題、家庭問題、甘えの社会、政府、雇用側、そういったシステムと文化にある問題が大きいと思う。それに対して、日本と比べれば、米国の教育と文化はもっと自立性と自主性の養成を重要視するから、そういう自立性欠如の問題が少ないようだ。だから、ニートの問題を解決したいなら、問題の基から直し、子供と親と両方の自立性を養成するのが一番大事であろう。